多くの場合、銀行員はFX、株式投資は禁止です。
株式投資について正確に言うと、インサイダー情報を持ち得る銘柄については禁止、それ以外は3か月以内の短期売買禁止、取引の都度届け出必須。といったところでしょうか。
超めんどくさいですね。
この記事では、銀行員は手を出したらアウトな投資と、 銀行員でもできる投資・資産形成方法についてまとめました。
私は銀行を辞めて数年経っている身ですし、銀行によって規則が異なるので、投資する場合は最新の社則を確認してくださいね。
銀行員が株式・FX投資を禁止(制限)されている背景
禁止・制限されているのには理由があります。
それは「投機的取引の禁止」と「インサイダー取引の禁止」です。
銀行員は専ら投機的な取引を禁じられているから
銀行の社則には、おそらくこの文言が記載されているでしょう。『行員は専ら投機的な取引をしてはならない』的な。
投機的な取引とは、レバレッジ取引と短期売買を主に指します。
FXのようなレバレッジを効かせる投資は大きな損失を被る危険があります。
そうなったときに、顧客のカネに手を付けて補填するふてぇやつが実際に居たのでしょう。
銀行時代にビデオ研修で「顧客の印鑑を偽造、勝手に支払伝票を起こして顧客のカネを奪っていた役職者」の動画を何度も見ました。
マクドナルドの財務が横領した7億円をFXで溶かした、なんてニュースもありましたね。
短期売買を禁じる具体的な社則は、株式においてインサイダー取引とされない場合でも、3か月など一定の期間を経てから売却しないとならないなどと定めています。メンドクセエ
株の信用取引なんてダブルでアウトですね。
銀行は顧客のインサイダー情報に触れやすいから
個別株については、インサイダー取引規制が背景にあります。
インサイダー取引とは、
株価に影響を与えるような重要な事実を知っている人が、その事実公表前にその情報を利用して取引をする
ことで、この規制はそれを禁じています。
みんなフェアに株式投資をするべきで、ズルはだめよってことですね。
企業の内情に触れることができる銀行員だからこその制限です。インサイダー情報を入手した場合に、メチャメチャ煩雑な事務処理が発生することを考えると、納得できるのではないでしょうか。
インサイダー取引は金融商品取引法によって禁止されている行為です。法律なので、例えばレバレッジ取引を禁じる社則より重いもので、バレたらクビで済まず、お縄になるケースもあります。
私が銀行の支店で勤務していた時は、支店で取引している上場企業株は一切取引禁止、それ以外は事前の届け出をすることで取引可能でした。
実際は「そんなことで支店長のお手を煩わせるんじゃねぇぞ。株なんてやるな」
という直属の上司からのプレッシャーがあったので、個別株取引自体が禁止みたいなものでしたが・・・
商工中金のような非上場の中小企業相手のビジネスをしている場合は、この規制が緩いケースがあるそうです。
ちなみに、銀行員でも証券口座の開設は可能です。ETFは銀行では購入できないので、ネット証券を利用するといいと思います。あとは外国株式の現物であれば、インサイダーもレバレッジも関係ないですね。申請とか必要なのかな・・・。

私のお勧めは楽天証券です。
楽天証券のおすすめポイント
- PC用アプリ「Market Speed」が使いやすい
- スマホアプリ「iSpeed」が使いやすい
- スマホアプリ「iSpeed」で米国株・ETFも買える(4/27から)
- iSPEED日経テレコンで日経新聞の記事が無料で読める
- 楽天銀行と連携すれば銀行の普通預金金利が0.01%(メガバンクの100倍)になる
銀行員でも投資できる金融商品
- 預金
- 投資信託
- 上場投資信託(ETF)
- 外貨
- ソーシャルレンディング
- 生命保険
などは銀行員が投資できる金融商品です。
要するに、レバレッジ無し、かつインサイダーの可能性なし(個別株でない)のものならOKです。
おすすめは投資信託・ETF
銀行マンには釈迦に説法かもしれませんが、投資信託とは株や債券、金などをパッケージにしたものです。
ETFはその投資信託自体が上場しており、市場が開いている時間帯であれば即時取引が可能になっているものです。
いろいろな投資信託・ETFがありますので、お好みのものを。
おすすめの投資信託・ETF
特になければ、三菱国際投信の「eMAXISシリーズ」の米株or全世界株式、それか適当なバランスファンドを選んでおけば割と無難かと思います。
リスク選好の方には、最近はレバレッジ投信なんてものが出てきています。
私が銀行にいたころはなかった商品です。レバレッジが効いてますが、投信なので大丈夫でしょう、たぶん。(社則を調べてから買ってくださいね)
レバ投信の先駆け、日興アセットの「3倍3分法」や、さらにレバレッジを利かせた「55バランス」は分散もできているので良いように思います。取り扱い金融機関が多いので、きっとあなたのお勤め先でも購入できるのでは。
あとは、大和アセットの「ifreeレバレッジnasdaq100」であれば、米国の成長企業にレバレッジを利かせて投資できます。当然落ちる時も2倍なので、慎重に扱いたいところ。
レバレッジ投信は、余裕資金を2020年3月のコロナショックのような暴落時に突っ込む、みたいな使い方ができるといいかと。
銀行よりネット証券のほうが売買手数料の面で有利(無料の場合も多い)なので、しがらみがなければ活用したいところ。
投資信託はNISAなどの国の制度を利用しよう
投資信託は、資産形成を企図した国の制度を利用することで税制優遇を受けることができます。
具体的には下記を活用しましょう!
- 企業型確定拠出年金(DC)
- 個人型確定拠出年金 iDeCo
- NISAまたはつみたてNISA
こちらの記事にまとめたので、こちらもご参考ください。
「財形」など会社の制度預金なども活用しましょう
会社の福利厚生で、例えば財形預金に追加で利息が付く、持株会に加入することで奨励金がもらえる、という制度がある場合があります。
私がいた銀行では、財形預金に3%の金利がついていました(上限あり)。おいしいです。
私は限度額まで最速で積み立てて、ストップしました。
おすすめでない金融商品
ここからは、銀行員でもチャレンジできるけど、おススメではない投資方法について解説します。
株・FXに制限がある銀行員にとって、数少ない投資の選択肢ではありますが、リスクとリターンが見合っているかしっかり検討しましょう。
ロボアドバイザー
AIを活用した投資です。代表的な例はウェルスナビなど。
メリットは、質問に答えるだけで導き出されたリスク許容度に応じた資産配分にしてくれる点や、運用環境に応じてリバランス(資産配分の見直し)をしてくれる点、デタックス(損出しをして税金を少なくしてくれる)がある点。
しかし、ロボアドバイザーの年間の手数料は資産額の1%前後と割高です。しかもデタックスを行うため、NISA適用外です。
ロボアドの中身はETFの組み合わせに過ぎません。自分でETFへ投資すれば手数料は0.1%前後です。
勉強用と割り切るならいいですが、長く投資するものではないと思います。
よかったらこちらもお読みください!
生命保険は所得控除の範囲内程度で
生命保険は、本来は投資ではありません!
米ドル建ての生命保険だと、そこそこの利回りを獲得できる商品もありますが、コストが高く設定されています。当然為替リスクも負うことになります。
私が若かりし頃は、生命保険を保険ではなく、投資の一環と捉えていました。
当時は、ロボアドバイザーやソーシャルレンディングは無く、生命保険は銀行員ができる数少ない運用手段の一つでしたので、結構な額を突っ込んでいました。完全にやりすぎました。
今は見直して大部分を払い済み保険にして、保険料を低くしました。
生命保険は、保険料の所得控除を狙って契約してみるくらいでいいと思います。
毎月、お好みの生命保険で7,000円、個人年金保険で7,000円くらいの掛金設定がおすすめです。
理由は、一般生命保険と個人年金保険、それぞれ80,000円が所得控除を受けることが出来るMAX設定だからです。※月6,666円になります
詳細は国税庁のHPをご参考ください。
もちろん家族がいたりして、保険の本来の目的で生命保険を契約する場合は別です。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングはおすすめしません。
そもそもリスクが高すぎるというか、正確なリスクを把握することが困難です。銀行で融資する場合は、財務諸表を分析して、過去の取引振りを勘案して、社長や社員、会社の様子など細かくチェックしてから、審査を経て融資しますよね。
銀行員なら、ネットで見られる限定的な情報を頼りに資金を出すことに抵抗があるのではないでしょうか。
ソーシャルレンディングはハイリスク/ミドルリターンといったところでしょうか。
ソーシャルレンディングの中には1年~数年は資金がロックされるものもあり、流動性も懸念点です。
高利回りの案件がゴロゴロ転がっていますが、償還期限が来てもお金が支払われない事案が複数発生しております。発展途上国のマイクロファイナンスに投資するような案件など、安全であろうはずがなく。
不動産に紐づいたソーシャルレンディングであれば、中身を見て判断できるなら良いかもしれません。 しかし人気のある案件は一瞬で申し込みが終わってしまいます。 私は何度チャレンジしても投資できず諦めました。
不動産のソーシャルレンディングで有名なのは、OwnersBookやBitRealtyなどですね。
外貨預金
レバレッジを使わないFX、つまりただの外貨預金です。
まとまった資金があれば、高金利通貨や円高になったタイミングで外貨に替えるのはアリかもしれません。
ただし、銀行の外貨預金口座は両替手数料が高いです。片道1円くらい平気でかかります。
これもネット銀行を活用したほうが有利かと。楽天銀行だと0.25銭です。
銀行員でもできる投資まとめ
まとめます!
銀行員だと(規制的に)できない投資法
- 日本株信用取引
- 日本株現物取引(場合により)
- FX
銀行員におすすめの投資法
- 投資信託(NISA、iDeCo活用)
- ETF
- 外国株
- 制度預金
おすすめできない投資法
- ロボアドバイザー(高コスト)
- ソーシャルレンディング(リターンがリスクに見合っていない)
- 外貨預金(資金効率と手数料)
最後に、もう一度お勧めネット証券の宣伝をして終わります。ありがとうございました。
私は楽天証券を利用しています
楽天証券のおすすめポイント
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