メガバンクからスタートアップに転職したら半年でリストラされた話

転職

「終身雇用を維持するのは、企業にインセンティブが無い。」

トヨタの会長がそんな会見をして、世間を賑わせていた春のこと。

私はいち早く終身雇用崩壊を味わっておりました。

タイトルの通り、メガバンクを辞めて飛び込んだスタートアップ企業が、業績不振のため整理解雇を実施したのです。

この記事では、当時のことを振り返りつつ書き綴ります。

備忘のつもりで書いてますが、リストラされて不安な人を励ましたり、「自分は大丈夫」と思っている人に危機感を持ってもらえたら幸いです。

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メガバンクからスタートアップに転職した半年後。経営陣に呼び出される。

「退職届にサインをしてください」

そういわれたのは、入社して半年たったころでした。

会議室に呼ばれ、行ってみたら創業者以下経営陣がぞろり。その瞬間、終わりが来たことを悟りました。

「あぁ、やっぱり来たか」というのが率直な感想でした。

「マジ、ですよね?」と問う私に対して、社長たちはひたすら「申し訳ない」と謝っていました。

一周回ってヘラヘラしだす私。サインしようにも手が震える。

わたパパ
わたパパ

マジで手が震えてうまく書けませんわ。ふへへへ(笑)

社長以下は全く笑ってくれませんでした。

なんとかサインをして、私物を回収して上司に引継ぎを行いました。

上司は私が入社するときに最終面接をしてくれた方です。

「どう思ってる?恨んでるよね。」と問われました。

わたパパ
わたパパ

いえ、入社する選択をしたのは私ですから。スタートアップに入ったんですから、リスクは織り込んでます。いい経験させてもらいました。

これは本心です。

そして私は会社を後にしました。その夜に、親しかったメンバーに個人的にメッセージを送りました。「役に立てず申し訳ない」と。

「役に立ってないなんてことは無い。落ち着いたら飲みに行こう」と返信を頂き、再就職先が決まってから飲みに行きました。

経営が悪化した理由は高コスト体質

手掛けていた事業は、人材紹介であったりイベント運営であったり、固定費があまりかからない且つ仕入れも不要でした。

ですが、バンバン人を採用していました。人件費がかなり重たかったのだろうと思います。改善するには人を切るしかないよね・・・。

あと、業務管理ツールがセールスフォースでした。セールスフォースは1アカウントにつき1万円/月の維持費がかかります。これを人数分用意していました。

私がリストラの対象になった理由は実績不足

私が入社したスタートアップは、入社時は成長著しい会社でした。

設立2年目にも関わらず、バンバン人を採用する(労働集約モデルだったのでそれでよかったのでしょう)、給与は、銀行と比べれば大きく劣るもののスタートアップであることを考慮すると十分。

儲かっているんだなぁ、と思っていましたが、それは一時的なものだったようです。

増床したフロアは減床し、社長は銀行へ出かけていく。経営陣からは「ヤバい」というメッセージ。リストラのサインは出まくっていました。

結果が出ていなかった

そんな状況にもかかわらず、私は結果を出せておりませんでした。決して手を抜いていたわけではありません。

そもそも、全く経験のない職種に挑戦するということをナメていたと思います。「自分なら試行錯誤を繰り返して頑張ってれば結果はついてくるだろう」とタカをくくっていました。

なんとかキャッチアップしようともがいていましたが、結果に結びつけることはできませんでした。

給料は高かった

一方、私はたぶん他の人より給料高かったんですよね。

転職後の給与は、転職前の給与を考慮して提示されます。同業界・同職種・同規模での転職なら、給与が下がることはあまりないでしょう。

私の場合、元が銀行で割と高給でしたので、たぶん給料は他の人より多くもらっていたのではないかと想像しています。

つまり、金かかるけど金を生まない人材に成り下がっていたのです。

リストラされたことを妻に告げると、泣いて責められました。そりゃそうだ。

妻子持ち、マンション買ったばかりで無職になる

会社からは、「通告から1か月間は在籍しているものの、出社しなくていい。職探しに専念してくれ」という厚意を頂きました。

働きながら活動していた前回の転職と違い、職探しに全力をかけられる状況です。

取りあえずビズリーチに登録して、多くのエージェントさんと面談したり面接を受けたりしました。

bizreach

そのおかげで、正式に離職するまでの一ヶ月間で2社から内定を頂くことが出来ました。

活動中は、けっこうスケジュールを詰めていました。やっぱり焦りもありましたね。行動していないと落ち着かなかったです。

もし仕事が見つからず雇用保険の期間が終わってしまったら、買ったばかりのマンションを手放して一家で路頭に迷うことになりかねません。

1日に4件面接を入れたり(めちゃめちゃ疲れた)、複数のエージェントさんとやり取りしていたため選考がダブルブッキングして再調整したり。

自分のカレンダーをエージェントさんたちに共有していました。私はTimetreeを使っていましたが、google calenderとかでもできるんじゃないかしら。

私の場合、1日に3件以上の面接をこなすと、かなり疲れることがわかりました。3つ目以降はグロッキーです。

それでも、仕事をしていないと空き時間はできるもので、家族との時間を作ることが出来たり、自分のキャリアについて見つめなおすいい機会になりました。

もちろん動くことも大事ですが、自分としっかり向き合うことも大切です。

「自分は将来どのようになりたいのか?どのように働きたいのか?」を明確にして、

「そのために次のキャリアでどういったスキルや経験を手に入れるか?」を考えました。

あと、自分の強みって改めて聞かれると答えづらい・・・と思って「ストレングスファインダー」をやってみたり。

2か月半ほど就職活動をしましたが、早い段階で内定を下さって且つ1か月以上も待ってくれた企業に入社することにしました。

結局金融系に戻ることにしました。金融に興味があって足を踏み入れた人は、金融から出ないほうがいいと思います。

ちなみに年収はベンチャーにいた時より100万円くらい上がりました(銀行時代により100万円くらい低いですが・・・)。

今回の件を振り返って

まぁ、別にリストラされても大不況でもなければ仕事は見つかりますよ。大丈夫。

(コロナウイルスの影響で、大分買い手市場になっているようですが)

ただ、条件面やポジションでなるべく有利になるように、平時からしっかり市場価値を意識した働き方をすることが大事ですね。

スタートアップに飛び込んだことは後悔していません。いい経験になりました。妻は専業主婦、子持ち、持ち家アリで無職なんてヤバい状況に追い込まれながらも不思議と楽しかったです。

しかし、前職とつながりのないキャリアチェンジはかなり慎重になったほうがいいと思いました。安易だったと反省しております。

私のように銀行出身なら、金融系のスタートアップとかに行くか、営業経験を活かして営業職で転職するか、でしょうね。

業界か職種、どちらかに継続性が無いとレベル1の新入社員と同じですから。

もしあなたが入社3年以内くらいの若手(第二新卒)なら、レベル1でのやり直しを検討しても大丈夫かもしれません。その場合はスパッと動いた方がいいと思います。

最終的には活動して1か月で再就職先候補から内定をもらえたのは、銀行での経験を買ってもらえたからです。

「大手企業はダサい」みたいな風潮がありますけど、ファーストキャリアとして大手で経験を積むのは悪くないんじゃないかな、と思います。

では!

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