実際にメガバンクで6年働いて感じた銀行の嫌な所【銀行辞めたい人向け】

転職

僕は約6年間、某メガバンクで勤務しました。

この記事では、実際に所属して感じた「銀行という組織の嫌なところ」を挙げていきたいと思います。

もちろん、銀行に入ってよかった、と思うこともありますが、8:2くらいで嫌なことのほうが多いですね。
良いところについても、気が向いたら記事にします。

結論をまとめておくと、私にとってはいつ・どこで・誰と・どんな仕事をするのか、の決定権が自分にないことが苦しかったです。

あとは古臭い会社の風土にも馴染めなかったです。

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自分が住む場所の決定権がない!全国転勤

銀行に限りませんが、全国転勤の会社だと勤務地は会社の指示に従わなければなりません。

たとえ、子どもが生まれたばかりであろうが、家を建てたばかりであろうが。

総合職は全国転勤。拒否権はない。

僕が銀行を退職した理由の一つがこれです。

住む場所の決定権が一切自分にないというのは、なかなか辛いです。
個人的には人権侵害と言ってもいいと思います。

総合職は、会社の都合で都市、地方関係なく転勤の可能性があります。

専門知識を持った人の中にはずーっと本部勤めという人もいましたが、そんなのはほんの一部です。

地方店舗に配属されると正直キャリア的にキツイんですよね。

本部の専門部署であれば、専門知識を身につけることができますが、地方店舗だと営業経験を積むだけ。あと内部事務が多い。

営業経験は転職時にアピールできるスキルだと思いますが、それしかないと苦しいです。ずっとフロントの営業店を転々とするのは良くないと個人的に思います。

配偶者が仕事を辞めると生活が苦しくなる

独身の時はいいかもしれませんが、家族が出来るとマジで辛いです。

配偶者も働いていれば、以下の選択肢のどれかを選ぶことになります。

  1. 単身赴任
  2. 配偶者が退職する
  3. 配偶者も転勤(そういう制度がある会社もあります)

2.を選ぶ人が多いようで、多くの銀行員総合職の配偶者(多くは奥さん)は専業主婦になることが多かったです。

そうすると、銀行の給料が多少高いとはいえ世帯年収は平均以下。結構生活苦しい人が多いです。

小学生以上の子どもがいる場合は1.の場合が多いですね。

そうすると、家族と自分で水道光熱費は別。食費も別。会社保有の寮だってタダではないです。家族に会いに行くのにも高速道路や新幹線、飛行機などを利用することになると余計なお金がかかりますね。

3.の多くは、銀行員同士で結婚した方です。

同じ(もしくは近い)支店に夫婦とも配属されるケースがあります。お互い銀行員だと仕事への理解もあるので、うまく行きやすいパターンかと思います。

銀行の転勤は発令から着任までの期間が超短い

銀行では、内示を受けるケースは多くありません。海外赴任の場合はありましたけど、国内転勤だとまず無いのではないでしょうか。

銀行の引継ぎ期間は3日から5日ほど。引継ぎ訪問をしていたら

先に異動先の引継ぎを受ける場合、発令当日に「今日の夕方の飛行機で移動先に行って引継ぎしてこい」なんてのもあります。

基本的には、発令日当日まで本人も辞令を知りません。

発令日当日の規定の時刻に支店長・部長から呼び出されて、そこで初めて自分の転勤と赴任先を知ることになります。上司によってはこっそり耳打ちしてくれる人もいるけど、原則発令日当日にいきなり辞令を告げられます

余談ですが、「明日は白いシャツ来て来いよ」なんてのがヒントだったり。
発令日は、異動になりそうな人(3年以上その部署にいる人)は無地の白のワイシャツを着てきます。私がいた銀行だけなのかな。

そんなドタバタの中で歓送迎会ラッシュ。
引っ越しの準備は奥様がやるハメに。

わたママ
わたママ

どうして私がこんな目に。妊婦なのよ。

さんざん文句言われました。
銀行員妻からは、同様の苦情を多く聞きます。

自分の仕事内容に決定権がない

僕が「この銀行にずっといることはないだろうな」と思った理由がこれです。

まぁ、大企業で希望通りの部署に配属される方が珍しいかもしれませんけど。

やりたいことをさせてもらえない

「手をあげればやらせてもらえる社風です。」
転職活動の中で、そういった会社を沢山見ました。

銀行にはない文化です。

やりたいことを夢中でやって、結果的に実績が付いてくる。それが理想であると僕は考えます。

銀行では逆です。実績があって初めてやりたいことをさせてもらえます。
(銀行に限らず大企業はそうでしょうけど)

実績出しまくって、上司にも気に入られて、資格の勉強もソツなくこなして、大きなミスはなし。
そんな人であれば、希望通りのキャリアプランを描くことが出来るかもしれません。

僕がいた銀行では、年に一度だけ社内公募があったのですが、そのチャンスを掴めない限りは通常の異動で希望部署へ行くしかありません。

僕みたいなポンコツは、社内公募に受かりませんでしたし、希望部署への異動も期待できませんでした。

と言いながら、1度だけ希望に近い部署に異動できました。
しかし、その後はやりたいことから逸れて行って、退職するときは仕事がつまらなくて毎日辛かったです。

賛否あるでしょうが「今の組織で死ぬほど努力して実績を作って、運が良ければ希望部署に行けるかもしれない」よりも「努力してやりたいことが出来る組織に転職する、もしくは独立する」方が手っ取り早い、というのが僕の考えです。

「いつか希望部署に行けるかも」という希望を胸に、歳だけ重ねてしまうと転職しづらくなってしまうというのが現実です。

置かれた場所で咲きなさいなんて言葉がありましたけど、あれは現状を自分で変える勇気のない人間が、自分を慰める諦めの境地であると思います。

日陰では太陽を浴びることはできません。

あなたは植物じゃありません。
居心地のいい環境に移動することができます。

キャリアの方向性がわからなくなる

これからの時代は、転職は当たり前の選択肢として持っておくべきです。

ジョブローテーションとか言って、大したスキルも身につかぬまま転々としたり、ひたすらフロントの営業部隊にいても、その後のキャリアの方向性を決めにくいんですよね。

ジョブローテーションの途中で、「これだ!」という仕事に巡り合えればいいのですが。

特に支店の営業しか経験できないのは悲惨な例です。必須の経験ですが、それだけだと金融の色が付いた人材以上にはなれません。

ついでに言うと、銀行は社内事務手続きが細かく決められており、厳格な運営を行っています。自然、かなりのリソースを使って社内手続きを習得します。

いくら社内手続きに詳しくなっても、他社へ転職するときにアピールできる材料になるでしょうか。

自分の時間がない

支店の場合は、店を閉めなければならないため退社時間はだいたい19時~20時。遅くても22時を回ることはありませんでした。

本部にいた時は終電まで働くこともありましたが、それも電通事件以降は禁じられるようになりました。

それでも、自分のプライベートの時間は少なかったです。

飲み会が多い

お客さんとの会合や、支店内・部署内の飲み会が多かったです。
このへんは、所属した支店・部署の雰囲気と上司が酒好きかどうかで大きく変わります。

しかし、絶対的に多いのが歓送迎会

銀行では、3年に1度(銀行によります)のペースで異動があります。

その度歓送迎会があります。
しかも、発令日から着任日まで連日飲み会になることが多いです。

そうなると、1週間全部飲み会、みたいな週が出てきます。

それが年に2,3回はあります。

さらに上期(9月)と下期(3月)の年に2回、期のシメで飲み会があります。

これに上乗せで、普段から飲みのお誘いがあったらたまったもんじゃありません。

2次会、3次会は当たり前で、総合職は最後まで付き合うことが期待されます。
僕は1次会で帰っていましたが、その度翌日怒られました。

また、飲み会の内容もつまらないことが多く、

上司の「昔は遅くまで仕事して、家に仕事を持ち帰って土日も働いていて大変だった。今の君たちは楽でいいな」的な話とか、「〇〇部の△△さんが異動になったらしい」的なローカルゴシップネタとかが話題になることがほとんど。

大体、役職者の話に若手が死んだ目をして相槌を打っている、そんな光景でした。

僕は「時代が違うんじゃ知るかボケ」とか「知らん人の話されても対応に困る」と内心思っていました。

あと若手女子はホステス状態で偉いおじさんの横に配置されます。若手男子は空いているグラスが無いかチェックしたり、オーダーを取ったり、提供されたものを席に並べたりと店員みたいな役回りをします。

そのくせ若手からもしっかりお金を徴収します。

恐怖の店内ゴルフコンペ

支店長・部長がゴルフ嫌いでない限りは、年に数回所属部店でゴルフコンペが行われます。

総合職は基本的に強制参加でした。

しかも、コンペ後に飲み会まであるので電車で行かなければならず、早朝から夜まで潰れます。
私は飲み会に行かず帰りましたが、翌日先輩に怒られました。

資格取得の勉強

「自己啓発」のお題目で、やたら資格取得を推奨されます。
会社が取得を推奨している資格を何名が取得したか、という業績評価上の項目があるほどです。

入行前に証券外務員は必須です。学生なら時間はあるので、資格取得は難しくありません。しかし、貴重な学生の時間を資格取得に消費するのはもったいないです。

他にもFP、宅建、銀行業務検定、証券アナリスト、不動産鑑定士、DCプランナーetc…

特に銀行業務検定は、2級になると結構難易度が上がります。
そのくせ、銀行の外に出るとクソの役にも立たないコスパ最悪な資格です。

自己啓発とは、自ら主体的に学ぶことであり、会社から指示された資格を取得することではありません。
銀行の偉い人は自己啓発の意味を知らないみたいです。

一方、マネジメントをちゃんと勉強している管理職はあまり多くありませんでした。

古い組織風土

銀行に関わりの薄い人でも想像できるでしょうが、企業風土は極めて昭和的です。縦割りで風通しが悪く、上下関係にうるさいです。

社員の価値観が昭和

会社に忠誠を誓い、会社第一で生きる。
その見返りが終身雇用・まぁまぁ高い収入・社会的信用など。

銀行には、そんな古い考えを持った人が未だに多くいます。
むしろ、その古い価値観のまま出世して偉くなってしまっています。

僕は仕事をとっとと切り上げて、プライベートの充実を図ろうとしていました。
そんな僕に

「なんで一人だけさっさと帰ってんの?」

「パソコン切って勉強しろ」
(PCのログが残るので、PCを付けると残業代が発生する)

「PCログと勤務時間を怪しまれない範囲でずらせ。会社のことを考えろ。」

そんなことを言ってくる上司もいました。

パワハラ上司が出世する

パワハラ全開な人も普通にいます。
入行した若手が軒並み潰されていく魔界のような支店もありました。

恐怖政治は一定の効果を生み出すものらしく、そういった支店は数字だけ見るといい成績なんですよね。

自然と、パワハラ上司が出世します。

最近は360度評価と言って、部下が上司を評価する制度を採り入れられました。

しかし、チームメンバーが少ないと、上司から見ると誰が低評価を付けているのか予想できてしまいます。
結果、忖度が働いたり、上司部下間の関係が悪化したりします。

上司に別室に呼び出されて「俺に低い評価を付けたのお前か?」と言われたときはゾクッとしましたし、この制度の欠陥を思い知り悲しくなりました。

有休がとりづらい

なんとなく、有休を取りづらい雰囲気の部署・支店が多かったです。

5連休を取得するのは銀行員の「義務」なので、なにがなんでもそれだけは取得できます。

しかし、それ以外の有給は従業員の「権利」。

「権利は使わなくてもいいんだぞ?あくまで、権利だからな。」とか言って有休を取らないようプレッシャーをかけてくる上司もいました。

権利という言葉の意味を知らないようです。

紙・印鑑文化

僕がいた銀行は「ペーパーレス化してます!」と社内外にアピールしていました。

実際に、会議資料はタブレット端末を使って見たり、稟議書類はシステム上で電子決裁、という業務フローに変化しつつあります。
今更こんなことに取り組んでるのかよ、と思いつつも変革することは良いことだと思っていました。

問題は、システムを使う人たち(特に管理職)の頭がアップデートされないことです。

「紙で見ないと内容が頭に入ってこないから紙で印刷して、別途システムで申請して」
(自分で印刷しろ)

「念のため、紙でも保管しておこう」
(システムいらねえ)

「いざというときパッと見れないと困るから、紙でも印刷しておいて」
(システムいらねえ)

そのうち、デジタルネイティブな世代が管理職になればこういった意識も変わると思います。
そのころには2030年くらいかな。

クリスマスパーティ!?新人芸!?

全ての銀行で行われているかわかりませんが、クリスマスパーティという謎イベントがありました。

どの部署でもあったので、少なくとも僕がいた銀行では浸透していたようです。

さて、クリスマスパーティでは若手が一発芸をするというクソ文化があります。

僕が新入行員で配属された店舗には同期がいなかったので、一人で乗り切りました。

ちなみに新人歓迎会の時も一人で一発芸をしました。
「俺の歓迎会じゃないんかい」、って思いましたよ。

まとめ

総括すると、僕が退職するほど銀行に嫌気がさしたのは、

いつ・どこで・誰と・どんな仕事を・どのようにするか

の決定権が全て会社にあり、自分でコントロール不可であるということです。

自分の人生ですから、意思決定は自分で行いたい。そう思い転職しました。

あとは飲み会強制、風通しが悪く働きにくい職場環境が合いませんでした。

もし、あなたが銀行に限らず大企業で働いていて、この記事に共感する部分があれば、勇気を出して変化することが、あなたにとって幸せかもしれません。
僕はあなたを応援します。

最後にフォローしますが、仕事内容が面白く、幅広い知識を習得出来て、のびのびと働きやすく、飲み会やパーティが強制でない部署もありました。そこにいた2年間だけは本当に楽しかった。

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