中国で愛犬クローンという新しいビジネスが注目されている。個人的には色々な観点でこのビジネスは受け入れがたいと思ったので、書き散らしてみる。
アイデアとして「クローンから臓器を取り出して医療に活かす」といった可能性への発展が期待されているフシもあるが、それはまあいいと思う(臓器を取るために生み出されるクローンに人格はあるのか、などの問題はあるが)。
あくまで「亡くなったペットと同じ遺伝子を持つクローンを生み出す」ことについて書く。
殺処分される犬がいる一方で、多額の費用をかけて復活させることへの疑問
日本では未だ多くの犬が殺処分されている。商品である生体の扱いがおぞましいほど杜撰である点を指摘されている大手ペットショップも記憶に新しい。
私が東南アジアに旅行に行った際は野良犬を多く見たし、脱腸したまま子育てする野良の母犬を見て悲痛な気持ちになった。
何が言いたいかというと、そのクローン1匹生み出すカネがあれば、何匹の犬が生命の危機から救われるのかな、ということである。私は同じ理由で生体販売にも反対である。
終わりがあるからかけがえがないのでは
もう一つの観点が、倫理的なものというか、生命をコントロールする所業への本能的な拒否感である。
終わりがあるから、その犬との時間が貴重なのであるし、「壊れたら買い換えればいいや」という発想すらあり得るクローンは、犬の幸福に必ずしも結びつかないと思う。
愛犬を失う悲しみはとても大きいものだし、「あの子のもう一度会いたい」という気持ちも理解はできるが、それでもどうしようもないのが命なのだから。
クローンを利用する人を犬好きとは認めない
いろいろ問題はあるが、需要とニーズがある以上、商品として成立するのが資本主義なんだろう(中国は共産国家だけどね)。
とはいえ、このクローンサービスを利用する人は、一匹の犬の命と向き合わず、多くの犬を幸せにしたいという思想を持たない人間であり、利己的なエゴイストである。私は認めない。
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