第163回直木賞受賞作、『少年と犬』を読みました。ずっとタイトルが気になっていたのですが機会があり読むことが出来ました。
泣きました。30歳手前の男が本を読んで泣きました。犬はいかんって・・・
ネタバレにならないよう気を付けつつ、紹介したいと思います。
『少年と犬』の構成・あらすじ
舞台は2011年の東日本大震災から半年経過したころの仙台から始まります。
岩手県から熊本まで、人を探して旅をするシェパードに似た犬『多聞(たもん)』と、「男」「泥棒」「娼婦」・・・など、その犬と出会い分かれる複数の人間の物語で構成されています。
登場する人間は、まぁタイトルの通りで泥棒や娼婦、あとは孤独な老人など。人生に悩みを抱えている人の傷や孤独を癒しながら、多聞は旅をします。
読書感想文
「犬という愚かな種のために、神が遣わした贈り物」ーーー帯に記載されている文です。
また、カバーを開くと「人の心を理解し、人に寄り添ってくれる。こんな動物は他にはいない」(老人と海より)との文章があります。
本当にその通りで、いるだけで家庭が明るくなったり、孤独や傷を癒してくれたり。犬はそういう生き物だと思います。
私はこの物語の登場人物のように、のっぴきならない事情を抱えていたことはありませんが、それでも受験勉強や部活、人間関係などで悩んだときはあります。そんな時に支えてくれたのは、実家にいた今は亡きダックスでした。
本心から犬のおかげで人生の局面を乗り切ったと思っていますし、私が保護犬を引き取ろうと思ったのは、犬に恩返しがしたいという気持ちがあってのものです。
まぁ引き取った愛犬わたあめに癒され続ける日々なので、恩を返せるどころか増えているような現状ですが。
時に慰めや励ましは、鬱陶しいと感じる時もあります。犬は何も言わず、ただ傍にいてくれます。犬の暖かさを感じるだけで、モヤモヤが晴れるような気がします。
本作品は、2~3時間で読めると思います。私は一気読みしてしまいました。
読み終わったら、犬を抱きしめたくなると思います。話題になった名作、犬好きならきっと気に入ると思います。ぜひ読んでください!
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